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RPAについての幻想と現実と誤解 | いいぜ、てめえがRPAをノンプログラミングで何でも思い通りに出来るってならまずはそのふざけた幻想をぶち殺す

いいぜ?

そうです、AAで有名なアレですね。

RPA関連のニュースで多いものを見てみると――

  • ノンプログラマーでもできるッ!
  • 年間XX万時間削減ッ!

とまあ、経営者にとって耳障りのいい文句がそろっています。

一方批判的なニュースでは――

  • 業務がブラックボックス化する
  • プロセスが勝手に改変される

というのがあります。

これに関して言えば、RPA化うんぬんより統制に問題がある企業じゃないの?っていう一言なんですけどね。

ということで


                       ヘ(^o^)ヘ いいぜ
                         |∧  
                     /  /
                 (^o^)/ てめえがRPAで何でも 
                /(  )    思い通りに出来るってなら
       (^o^) 三  / / >
 \     (\\ 三
 (/o^)  < \ 三 
 ( /
 / く  まずはそのふざけた
       幻想をぶち殺す

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てかそもそも、WinActorのノードもVBScriptベースだし、UiPathもシステム間でVBをっていう感じののりだし、

AutomationAnywhereに関して言えばスクリプト型のRPAだしっていうね。

 

 

幻想1:ノンプログラマでもできるよ

こういって導入され使われなくなったツールは数多くあります。

マスタ編集画面程度のものしか出来上がらない超速開発ツール、それ結局SQLのが早くないっていうBIツール。

ではRPAはどうでしょう。

確かに画像認識や、エミュレーションである程度ノンプログラマでも作れますね。

でもそれってどこまで考慮されたものでしょうか。

  • ログインユーザーが違うと動かない
  • OSバージョンアップは想定していない
  • え、今の環境で動くことが要件だし

特に画像認識でゴリゴリ作っていると、OSが変わったり、外部のサイトでUIが大幅にアップデートされたら――

エラーで止まりまくる→

修正が追い付かない→

結局ロボじゃなくて、手でいいやということになります。

正直ノンプログラマでなくても陥る罠ですが、変化する可能性がある個所は対象から外したり、画像認識では変更が少ない場所を選択する等

また外部サイトはhtmlの要素を指定して値を設定する等、なるべく止まらないような実装をする道具箱がプログラマやSE職にはあります。

また、WInActorで言えばノード内はVBScriptで記述されており、このノード動作が惜しいんだけどちょっと変えたいなというときにはVBScriptを修正してあげればよいわけです。

UiPathでいえばVBのオブジェクトを操作することで、簡単に環境周りの値が取れたりと

ノンプログラマでも実装できるは正しいけど、プログラマーにまかせた方が安定的にスピーディにスケールするんでない? という理屈です。

幻想2:年間XX万時間削減

RPA 年間 削減 などで調べれば枚挙にいとまがないくらいページが引っ掛かります。

「RPAで40万時間削減」を掲げた損保ジャパン、導入後1年でどれだけ削減できたのか? 

「銀行のデジタル化は避けられない」 RPAで20万時間の業務削減へ 横浜銀行の挑戦 

キリンがRPA導入で年9万時間の削減を目指す業務

などなど、経営者が「各社すごいじゃん! うちでダラダラ残業してるやつらの業務RPA化したろう。 よっしゃシステム部門呼びつけて今月中に導入させたらぁ」と息巻くのも無理はありません。

こういった形で導入するケースでは、投資額がボーダーになってくると思います。

まずは投資額を超える削減効果を狙う。

そうなるとROIが高い、高頻度(あるいは類似業務を全社員がやっている等)、長時間作業という業務がターゲットになってきます。

リクルート流RPA大作戦 「ROIを考えると導入はムリ」な業務にどう導入した?

が参考になりますが、ROIが高い業務を対象にすることが必ずしも成功につながらないということです。

まず、RPA導入初期に社内で決定的に足りないものがあります。

  1. RPA製造・対象業務選定の熟練度
  2. ユーザーの認知度

①については、言うまでもなく導入初期にはコンサルタントを入れつつ実装を重ねてナレッジを積み上げる必要があり、まさに練兵期間です。

まずは小粒のRPAを製造させナレッジと成功体験を積ませることで長期的には良い人材への投資となります。

一方ROIが高い(システム化、マクロ化されておらず、複雑で、比較的難易度が高いことが多い)業務のRPA実装をした場合、

それ自体は完成したとしても、成功体験よりも難易度が高いと思わせてしまうでしょう。

それで燃えて技術習得に励む人材であればよいのですが、昨今の若手の離職率を考えると、きちんと成功体験を積ませて練兵させることで、

採用コストをどぶに捨てずに済みそうです。

続いて②ですが、気になる人はRPAのニュースがかくも多いのかとフォローしているでしょうが、

気にしていない人間はRPA? なんだそのバズワードは!? というレベル。

ユーザーにどういうものでどんなことができるかというのを啓蒙するのも、(異論はありつつも)システム部門の役割(というか押し付けられている)であることが多いです。

①とも関連しますが、まずは①で小粒なRPA(できれば、Web操作、Excel操作、システムへのデータ投入等多様なものがいい)を製造し、ユーザー部門に動きを説明することで

あの業務をRPA化できるかも、この業務もRPA化できるかもと発想の幅を広げてもらう必要があります。

ながくなりましたが、こういった練兵、啓蒙活動を続けた結果がXX万時間削減につながることから

半期~会計年度内に投資額を上回る成果をだすのも難易度が高く、ましてやXX万時間削減など達成するのは夢のまた夢。

夢から覚めた?

人月の神話で「銀の弾丸などない」という論文のタイトルが引用されています。

銀の弾丸とは――

魔法のように、すぐに役に立ちプログラマの生産性を倍増させるような技術や実践 (特効薬)

参照元:Wikipedia

銀の弾丸は映画「コンスタンティン」などでも悪魔に対する武器として使われています。

つまり悪魔(非人道的な単純作業)に対抗する手段は近々では出てこないということがこの論文のタイトルに集約されているわけです。

しかし、RPAは人口減少社会、働き方改革、労働生産性向上という社会的な課題がある日本で、銀の弾丸足り得るツールだと感じています。

人手が不要になったら、その人は暇(不要)になるのでは? という意見をよく目にします。

違います。

企業としてはより多くの経済活動をするために必要な余力であり、可能性となります。

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