AI-OCRとは何ぞや
OCRといえば、スキャナで帳票を読み取り文字に起こす機能をさしますね。
光学式文字読み取り(Optical Character Reader)と日本語にすればすんなり入ってきますが、英語の頭文字をとったものです。
では、そこにAIをからめたOCRとはなんぞや――と
OCRは前述したとおり、帳票をスキャンして文字を読み取りますが、必ずしも正確に読み取れません。
識字率という指標で評価され、全体の文字のどれだけ正しく読み取れたかというものです。
英語であればアルファベット(大文字小文字)と数字や頻出記号を読み取れればよく、識字率は一定数以上をキープできます。
しかし、日本語はどうでしょう。
ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字などなど複雑性は高く、常用漢字は1945字あり、
今までのOCRでは識字率が課題でした。
そういう意味では、社内公用語を英語に統一した楽天はシステム化コストも抑えることができたのかもしれませんね。
AI-OCRでは、AIや機械学習の力を借り、識字率を向上させています。
例えばかなりざっくりと言ってしまうと、数字だけの項目を読み込んだ時にアルファベットの「l」と読めてしまったものがあっても、
いやいや、これは数字の「1」だろうと判断してくれる代物です。
AI-OCRとRPAを組み合わせるメリット
RPAで業務を自動化できたけど、紙ベースのデータ入力は手でデータ化している――
そんなことある? と思いますかね。
実際には承認順に押印された紙データを最終的に担当者がシステムに手入力なんてのは日常茶飯事です。
そのあたりをWF化すればいいじゃんという話になりそうですが、現状まわっている業務(承認者にとってはハンコを押すだけなので)をシステム化し変えるとなると
抵抗する人は一定数いるわけです。
RPAのメリットにも、業務プロセスを見直さず非効率的な業務を甘んじて自動化できるというのがあります。
よく、RPAは業務プロセスを整理してからするべきという話をする自称プロがいますが
おそらく業務が監査法人によってチェックを受け、業務を変更するために相応のパワーがいるということを理解していないです。
業務をかえるとなると途端に、ユーザーがトーンダウンしてしまうのはよくある話。
机上の空論が不思議の国日本にマッチしていないことを理解していないアリスシンドロームの方で、システムしか知らない視野の狭いシステム屋です。気をつけましょう。
もう一度言いますがRPAのメリットはそういった業務変更のパワーを省きつつ、非効率的ながらも――業務フローを変更・承認プロセスをすることがないため――スピーディに自動化することができることです。
現状の業務を変える必要がないので業務フローがそのまま設計書になり、設計書通り実装できていることが担保できれば監査に耐えられます。(セキュリティ等の細かい話を抜きにすれば)
さて、話がずれました。
AI-OCRのメリットは、今までのフローをかえることなく、紙申請の情報からデータ化が――チェックプロセスは残りつつも――実現できるわけです。
すばらしい。
AI-OCRにはどんなものがあるか
AI-OCRには様々な製品があります。
- ABBYY
- tegaki
- AIRead
- AnyFormOCR
各社強みはありますが、やはり3桁万円します。
もちろん規模の大きな会社であれば投資効率が非常にいい代物です。
もちろん識字率が高くてもチェックが必要なのは確かです。
特に金額間違えられないようなものは何かしらでチェック機構が必要です。
しかし手入力でも、AI-OCR×RPAでも目視確認が必要であれば入力が自動化されている方がまだましですね。
ということで、AI-OCRとRPAは非常に親和性の高いソリューションだといえます。