はじめに
前回IPA『ITプロジェクトの「見える化」』で企画プロセスにすべきことを押さえました。
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企画プロセスっていったい何やったらかわからず、IPAの書籍を読んでみた話
Contents はじめにとりあえず成果物を確認俯瞰図企画プロセスに検討が必要なものはじめに 正直、企画プロセスっていまいちピンと来ていない。 顧客要求で全社中計、事業部中計とヒアリングで大体の問題は ...
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コンサルによるとCIOハンドブックも読んでおくと参考になるとアドバイスがあり、さっそく読んでみることにしました。
CIOハンドブックとは何ぞや
CIOはハンドブックはNRIによって発刊された書籍で、スクラッチ&ビルドをを繰り返すうちに肥大化、複雑化する情報システムへのアプローチがまとめられたものです。
CIOが経験則によりマネジメントしていた手法をISMSなどの方法論と組み合わせてITマネジメントをどうすればいいについて管理手法・ノウハウとまとめた本でです。
つまりこれからCIOになる人材向けに、体系立ててまとめられたものですね。
超上流工程の進め方
CIOハンドブックでは、フェーズごと都の進め方についてはITアーキテクチャについて重要視して書かれていました。
ここでいうITアーキテクトとは――
ITアーキテクチャとは、「業務アプリケーション、データ、システム基盤を含むシステムの全体構造」を指す。
参考:CIOハンドブック
本書によると経営課題に応じてITアーキテクチャモデルが異なります。
例えば、コスト削減が経営課題であれば標準プラットフォーム型、
コア業務強化であればモザイク型といった具合に。
名前だけではなかなかわかりにくいと思いますので、ぜひ手に取ってみてください。
例えばモザイク型アーキテクチャではコア業務とノンコア業務それぞれに適したアーキテクチャを採用する
→これがモザイクという名称の所以です
コア業務はスピーディに変革できるもので、ノンコア業務は低コストで安定的に稼働し、複数事業で共通で利用できるものを採用し
それぞれの改修が影響を受けないようにする、といった具合に。
超上流工程とITアーキテクチャ設計
IPAの策定した「共通フレーム2013」によると、プロセスは5つに分類され――
- 企画
- 要件定義
- 開発
- 保守
- 運用
5つのフェーズに分類されます。
今回対象の企画フェーズですが、事業部門とIT部門がともに協力し合い事業や業務に十分貢献できるシステムを作り上げていきます。
CIOハンドブックを参考に作成
そのために現状・課題分析によって現状からシステム化構想を練るわけですね。
課題の抽出方法は――
下図のように進めていきます。
CIOハンドブックを参考に作成
分析対象は「経営」、「業務」、「システム」の3つを網羅する必要があります。
経営方針から、事業部、そして現行システムとの整合性が求められます。
事業部によりすぎると、経営と合意するときに、そんなこともとめちゃねーってなりますからね。
まぁもっと早い段階で気づくでしょうけど。
根本課題は様々な原因をつなぎ合わせて見つけ出す必要があります。
個々の原因を局地的に処理していたら、おかしな方向に行くか、いつになっても実現できません。
例えば、製造能力に問題があり、営業のプロセスに問題がある場合、
営業の課題を先に解決して、製造能力がそのままだったらパンクするのは容易に想像できますね。
CIOハンドブックはかなり役に立つ
この考え方が理解できれば、声がデカいだけのユーザーも理路整然と説得できそうです。
それにしても、超上流工程っていうのは人員に対する要求事項も高度ですな。
まるで殿上人です。